エーカムディクシャ

すべてはどのように始まったのでしょうか？
それは現象として始まりました。現象とは、人間 の意識に多大な影響を及ぼす説明できないものと通常、定義されます。現象は「普通」や「偶然」のことではありません。現象は常に「ハプニング」なのです。

この現象のストーリーをお話しします。クリシュナジの父親であるシュリ・バガヴァンがごく幼かった時、神秘的な光であるゴールデンオーブが常に意識に現れる、という神秘的な体験をしました。そして、これによって、シュリ・バガヴァンの心に神聖なサンスクリット語のマントラが現れました。シュリ・バガヴァンはその後、ずっとこのマントラを唱え続けました。 シュリ・バガヴァンが24歳になった時、ゴールデンオーブは彼の意識上から突然消え、マントラが止みました。しかし、シュリ・バガヴァンは、準備が無事に終わったのだ、変容を導く何 か途方もないことが 人類に起きる日も近い、と心から確信していました。

それからおよそ15年後の1989年夏、当時まだ11才の小学生だったクリシュナジに、筆舌に 尽くしがたいほど美しくパワフルな霊的体験が起きました。クリシュナジは、自分の意識の中 に光り輝く人が現れるのを見たのです。その人は、自分は「プラジャパティ」‒全ての命を育む 者‒と名乗り、素晴らしく美しいゴールデンオーブへと姿を変えました。この神秘的なビジョン に加えて、自分はあらゆる人やあらゆる物と完全に一つだと感じる状態、外的な理由のない喜びと愛の状態がクリシュナジに起きました。クリシュナジ自身の言葉を借りれば、それは「まるで意識の渦に引込まれるように自分の内側の状態に入りこむ感覚」で、その中では物理的次 元や精神的次元にある一切の制限が存在しないのです。

クリシュナジがこの霊的体験をした時、数千年分のスピリチュアルな叡智や神秘体験が全身を満たす感覚があったそうです。実年齢や人生経験をはるかに超える、意識の本質や命への洞察がそこにはありました。

クリシュナジがこの体験を父親に話すと、父であるシュリ・バガヴァンは、明らかに深く感動し、非常に喜んだそうです。シュリ・バガヴァンは、その意識状態を学校の他の生徒に「転写」 できるかと、クリシュナジに尋ねました。クリシュナジは、「状態を転写する」のがどういうことかも、どうしたらそれができるのかもわからないまま、ごく自然に「イエス」と答えました。その状態、その意識が自分を通じて世間に流れ出ることを望んでいる、という説明のつかない確信があったからです。

生徒たちが呼ばれ、クリシュナジの前で、目を閉じて黙って座るよう言われました。生徒たちは、2、3分の間に、クリシュナジの第3の目のチャクラから輝く 金色の光の玉が流れ出て、自分たちに入るのを体験しました。意識の中で光と至福が爆発したように感じた生徒もいました。そして、彼らの意識のスピリチュアルで神秘的な次元が目覚めたのです。他にも、肉体上の奇跡的な治癒、破滅的な感情や辛い記憶の完全な消滅、集中力、 記憶力、学力といった頭脳能力の向上などの体験をした生徒たちもいました。

その日始まったこの聖なる現象は、後に「ディクシャ」、あるいはワンネス・ブレッシングと 呼ばれるようになりました。ディクシャとして、ゴールデンオーブが人類に流れ込むこの現象は、人類の霊的な進化への信じがたいほど素晴らしい贈り物です。